毎月引かれる健康保険料、どうやって決めてるの?
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あれ?健康保険料が増えてる?
毎月のお給料から控除されている健康保険料。
どうやって決められているか知っていますか?
健康保険料
毎月の保険料=標準報酬月額×保険料率
保険料は、被保険者の給与をもとにした標準報酬月額の健保組合の保険料率をかけて算出します。
ここでいう給与とは、給与、通勤定期券代、残業手当や住宅手当など、被保険者の労働の対償として支給されるもの。慶弔金などの臨時収入は報酬に含みません。
標準報酬とは、保険料の計算がしやすいよう被保険者の給与を50段階に分類したもので、1等級は月額58,000円、50等級は月額1,390,000円です。
保険料計算のもととなる標準報酬月額は、毎年4月~6月の給与等をもとに、原則として全被保険者の標準報酬月額が決め直されます。ここで決定した標準報酬月額は、9月1日から翌年8月31日まで適用されます。これを「定時決定」といいます。
ただし、事業主が給与から控除できる健康保険料は前月分に限られているため、定時決定により保険料が変わるのは10月の給与からです。

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私の給与明細には、標準報酬月額が220,000円と書いてあるけど…
実際にどうやって計算したらいいの? -
「当組合の保険料」ページにもあるように、日立健保の健康保険料は事業主の負担率が5.0%、被保険者の負担率が3.7%なので、被保険者の標準報酬月額が220,000円の場合、健康保険料は220,000×3.7%=10,360円となるんだよ。
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なるほど!実際に計算してみると、意外と簡単なんだね。
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同じページに掲載されている月額表で確認することもできるよ!気になる場合は定期的に確認してみてね。
〈 賞与から控除される保険料はどうやって計算する? 〉
賞与の保険料=標準賞与額×保険料率
年3回まで支給される賞与からも、保険料は控除されます。賞与の保険料は、標準賞与額(1,000円未満を切り捨てた額。年度累計573万円が上限)に保険料率を乗じて計算します。なお、年4回以上支給される賞与については毎月の給与等とみなされるため、標準報酬月額に反映され、毎月の給与から賞与の分も含めた保険料が控除されます。
他にも、このような場合に標準報酬月額が決め直されます。

就職したとき(資格取得時決定)
初任給等をもとに最初の標準報酬月額が決められます。

給与額が大幅に変わったとき(随時改定)
昇給や降給で3カ月間の平均給与が現在の標準報酬月額と2等級以上変わった場合、決め直されます。

産休が終わったとき(産前産後休業終了時改定)
産前産後休業が終了して職場復帰したとき、短時間勤務等により標準報酬月額の等級が下がった場合は、被保険者の申し出により決め直されます。

育休が終わったとき(育児休業等終了時改定)
育児休業等が終わって職場復帰し3歳未満の子を養育しているとき、短時間勤務等により標準報酬月額の等級が下がった場合は、被保険者の申し出により決め直されます。
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気付かない間に健康保険料も変更になっていたんだね。
そもそも、健康保険料って何に使われているんだろう… -
健康保険料は、次のような使い方をしているんだ。
保険給付のため
健康保険組合の目的である医療の給付や給付金の支給など、保険給付に使われるのとあわせて、保健事業にも用いられているんだ。
そのほか、健康保険組合相互の助け合いにも使われているよ。
高齢者等の医療を支えるため
健康保険組合のいろいろな事業の費用だけではなく、高齢者の医療を支援する費用をまかなうためにも使われいるんだ。後期高齢者医療制度等の高齢者の医療制度に対して多額の支援金や納付金を拠出しているので、高齢社会の進展に伴う負担が増えているんだよ。
覚えておくと、役に立つかも⋯
引かれている保険料、実は前月分です
毎月の給与から引かれている保険料は、前月分です。そのため新入社員として4月に入社すると、4月給与からは保険料は引かれず、最初の保険料は5月給与から引かれることになります。
なお、月の途中で加入しても保険料に日割り計算はありません。その代わり、脱退月の保険料は引かれません。
※任意継続被保険者は、当月分の保険料を納めていただきます。
標準報酬は、傷病手当金、出産手当金などの計算基礎にもなります
健康保険には、病気やケガ、出産で働けないときの生活保障として傷病手当金、出産手当金があり、これらの給付額の計算にも標準報酬は使われています。また、標準報酬は将来受け取る年金額にも影響します。
標準報酬が上がると毎月の保険料も上がることになりますが、一方で給付額・年金額が上がることを覚えておきましょう。