理事長ご挨拶

日立健康保険組合 理事長
㈱日立製作所 執行役常務 Deputy CHRO
兼 人財統括本部 人事勤労本部長

田中 憲一

当健康保険組合の事業運営については、日頃よりご理解並びにご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

新型コロナウイルス感染症の拡大から3年余りが経過いたしました。5月には感染症法上の分類が季節性インフルエンザと同様の「5類」へ引き下げられることが決定されるなど、行動制限緩和の動きがみられ、緩やかながらもコロナ禍前の日常が戻りつつあります。加入者の皆様におかれましては、健やかな日々をお過ごしになりますようお祈り申し上げます。

さて、2023年度は、日立グループの『安全と健康を守ることは全てに優先する』という基本理念のもと、健康経営および重症化予防の取組みを強化し、加入者の皆様の健康度向上や医療費適正化等につながる健康増進施策を推進してまいります。

特に健康の保持並びにリスク保有者の減少のためには、特定健診や特定保健指導等の保健事業の実施に加え、個人の行動変容とヘルスリテラシーの向上が重要になります。そのため、健診結果・医療費明細・各種健康関連情報が閲覧できる「MY HEALTH WEB」の利用を促進し、健診受診関連・ハイリスク対策・感染症対策に皆様ご自身でも取り組んでいただける施策を実施してまいります。また、ご自身の健診結果から将来の入院リスクを可視化できる「リスクシミュレーター」の活用促進、ご家族へのLINEによる受診勧奨の直接アプローチ等、ご自身とご家族が積極的な疾病予防、健康づくりにつなげていただけるよう、各種施策を展開してまいります。

一方、当健康保険組合の財政面においては、事業再編等による被保険者数の減少に伴い保険料減収が見込まれています。支出面では少子高齢化・医療の高度化等による一人当たり保険給付費の増加に加え、高齢者支援金・納付金も大幅増加の見込みです。以上のことから2023年度は赤字予算となりましたが、別途積立金を活用することにより健康保険料率は従来どおり据え置きといたしました。

すべての団塊世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年を2年後に控え、国民医療費の上昇は避けられない見通しです。健保財政は中長期的にも厳しい状況ではありますが、効果的な保健事業や医療費適正化の推進等、社会の変化に柔軟に対応しながら安定的な財政基盤の維持に努めてまいります。

加入者の皆様が健康で安心して暮らすことができるよう、QOL(Quality of Life:生活の質)の向上につながる諸施策を展開してまいりますので、引き続きご理解とご協力をお願い申し上げます。

※健康経営は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。